借金・自己破産・自殺未遂を人生の糧にした男の美学

借金

Debt

最初に借金をしたのは、18歳の時だった。

幼少期から両親が共働きで家にいなかったためお金が大好きで駄菓子屋でお菓子やくじを引くことに夢中だった。

遠く離れた川にシジミを取りに行き、とったシジミを母親に買ってくれとせがみお金に変えたのが最初の商売だった。

18歳になると同時に車の免許を取り、15万円のポンコツの車を購入し、その車のコンポーネントステレオを購入したのが初めてのローンだったように記憶している。

当時20万円もする高級なコンポを買った。

パイオニアのイコライザー付きで車で寝泊まりするほど車での生活が大好きだった。

幼少期に母親が朝6時ごろ仕事に出かけるのを後追いし、バス停まで裸足で泣きながら追いかけるのが日課だった。

母は泣き叫ぶ3歳くらいの私にバス停の停留所でしかたなく10円を手渡し「これで好きなものを買いなさい」と言って泣きじゃくる私をなだめた。

そういう日々が永遠のように永く感じながら、いつしか私は求めていたはずの母親の愛情をお金に変えてしまうようになった。

お金で駄菓子屋に行き、ビー玉を買ったりメンコやこま遊び、爆竹、ニービー弾、などなど買うことで足りない愛情を埋めていた。

話を戻そう。

こうして「お金」に対する価値観が幼少時にできていたようだ。

借金も「後回し人生」という概念ができてしまったのは小学校時代の「夏休みの宿題」からかもしれない。

夏休みの宿題は低学年にはすでに後回しにしてしまうようになり、優先順位は「自分が好きなこと」に限っていた。

遊びが好きな私は野山を裸足で駆け回り、近所の子供達や学校の子供達と遊ぶことを何よりも優先した。

こうして夏休みの宿題は8月31日にやるようになったが、課題に関しては図工が大好きだったので率先して取り掛かった。

しかし教科は後回しだったので、この当時にできた「癖」が後々の借金地獄への入り口になろうとは知る由もなかった。

借金=先に楽しんで後回しで支払う。

 

2015年7月15日 空太郎

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