2.人生の再建

Reconstruction of life

私は2度の破産を通して、その度に何とか立ち直ってきた。

1度目は多少時間を要した。

さすがに心のダメージが大きかった。

しかし考え方は至ってシンプルな方が良いと思う。

それは自分には何ができるか?
残された宝は何か?
このことを常に考え続けることが大事である。
例えば、右手、左手が残されている。と考えれば手作業でできる何かがある。
仕事もそうだし趣味でも良いと思う。
例えば考える頭が残っている。
資格や経験も残された宝なのだ。
失ったもののことを考えてしまうことは仕方がないことで過去に心を捕らわれてしまうことも自然なことだろう。
だが、残された宝の中で最も貴重なものが今という時間なのだ。
仕事も失い、財産も失い、家族も失い、信頼や人間関係も全て失ったとしても、今という時間は誰にも奪うことはでき無いのだ。
今から先の未来の時間も自分の自由になる使える資源であり、時間という貴重な財産なのだ。

経験や資格も破産して残るものである。

破産によって剥奪される資格もあるだろうが、経験はどうだろう?
経験から生まれる知恵は貴重な財産だ。
残された宝は無形のものも数多くあるはずだ。
手足や体、頭など奪うことのでき無い資源もあるが、知恵や経験こそ目を向けるべき未来の宝だと考えることで、まだできることはある。と思えるようになっていった。
残された資源に目を向け、それを最大限に活用するように心がけながら、過去にとらわれずに生きていきたいものだ。
今でも失った貴重な数々のものを思い出すことは多々有る。
後悔がないとは言え無いが、もう過ぎた時間はどうにもならないことをこころに刻み、ここからが本番だと考えることが大切だ。

小さい頃を思い出すとわかりやすいが、例えば自転車に初めて乗った時どうだっただろう。

いきなり乗れた人もいるかもしれ無いが私は苦労した、少し慣れてくると調子に乗ってスピードを出しすぎて何度も転んで怪我をした。

おそらく自転車に乗り始めたばかりの頃転んだことの無い人も少ないのではないだろうか?
何度もぶつかったり転んだりしながらようやく上手に乗ることができるようになったし、そんな時でさえも油断して転んだりすることもある。
人生を自転車の運転に例えるとするならば、挫折は自転車で転んだ程度だと考えた方が良い。

一度転んだだけで、全てが決まるか?
もう絶対にその人は上手に自転車を乗りこなすことが出来ないと言い切れるだろうか?
可能性は0なのか?
いやそうでは無いはずだ、2度や3度転んでも、また立ち上がり、もう一度反省しながら自転車を走らせてみることでどんな鈍臭い人でもやがて転ばなくなる。
人生を再建させる時に、自分の成長についても良く考えてみた。
例えば竹が成長する時に必ず節目を作る。
節目がない時期はすくすくとまっすぐに成長しているから気持ちも良いし、自信もあるだろう。
しかし一旦節目の時期になったらなかなか前に進ま無いし、自分が果たして成長しているのか?停滞?後退しているのか?と自信をなくすこともあるだろうが、竹が柔軟で強風の時に折れなくて済むのはあの節目があるから柔軟に強風や風雪に耐えることができるのだ。

今私は節目を作らんとしているのだ。

この苦しい時期を通り越えてまた成長の時が必ず来るのだと信じることが大事だと思う。

人生の再建を果たそうという志が何よりも支えになるし、志は未来から今の自分を引き上げてくれる道標にもなるのだ。

 

2015年7月24日 空太郎

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